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引張りコイルばねの特徴と形状

引張りコイルばねは、圧縮コイルばねに次いで広く使用されており、両端にフックを有していることが大きな特徴である。また、冷間成形により密着巻きで製造する場合、初張力を生じることが圧縮コイルばねと比べて最も大きく異なるところである。
フックの形状も用途に応じて様々な形状が存在し、それぞれにおいて応力集中箇所が異なることから、応力設定には注意を必要とする。
以下にJIS B2704に記載されているフック形状を記す。

1.半丸フック

コイル部の半巻きを起こしてフックとしたもので、加工は容易である。

2.丸フック

コイル部の1巻きを起こしてフックとしたもので、加工は容易である。

3.逆丸フック

コイル部の1巻きをねじり起こしてフックとしたもので、細い材料径の冷間成形ばねに多く用いられている。

4.側面丸フック

コイル部の1巻きを側面に起こしてフックとしたもので、極端な偏心荷重を受けることから、局部的最大応力がコイル部の2倍程度にまでなることがあるので、十分に注意する必要がある。

5.角フック

端部を角形に加工したもので、扁平な板に取り付ける場合に用いられ、フックの長さは必要に応じて定める。

6.Uフック

端部をU字形に加工したもので、フックの長さは必要に応じて定める。

7.Vフック

端部をV字形に加工したもので、フックの長さは必要に応じて定める。

8.絞り丸フック

金具を挿入して片端3巻程度を絞り込んでコイリングすることで、挿入した金具をフックとする。ばねの長さは長くなるが、フック部の応力集中を考えなくてよくなることから、推奨出来る方法である。

9.ねじ込みフック

別の金具をフックとしてねじ込む。絞り丸フックと同様にばねの長さは長くなるが、フック部の応力集中を考えなくてよくなることから、推奨出来る方法である。

10.斜め丸フック

コイル端部に1巻きを斜めに傾けて起こしたもので、フック形状としては新しく、あまり実績はないが加工は容易である。

初張力

引張りコイルばねは冷間コイリングで密着巻にするとき、計算上の密着ピッチより小さいピッチでコイリングされるので、素線がある程度ねじられた形で成形されることになる。そのため素線相互の接着により軸線方向の弾性変形が阻止され、無負荷時においてもコイルをたがいに密着させようとする力が働く。これがいわゆる初張力である。したがって、荷重-たわみ線図は図7のようになる。
普通鋼のばねに対して初張力は、図9(JIS B2704)の斜線で示す範囲にある。
但し、図8では初張力のかわりにせん断応力で示してあるので、初張力は次式により計算される。

尚、概略の初張力によるせん断応力を求めるには、つぎの経験式によって算出してもよい。

一般に、引張りコイルばねは初張力を積極的に利用する。よって、成形後の低温焼きなましをあまり高温、長時間で行うと初張力の低下をきたすので、適度に行うことが必要である。また、表面処理を施す場合は加熱されることがあるので、同様な配慮が必要である。
尚、鋼線以外の材質および低温焼きなましの実施に対する初張力は、以下のように修正する。ステンレス鋼線の場合は、鋼線の15%減、りん青銅線、黄銅線、洋白線などの場合は、鋼線の50%減とする。また、成形後に低温焼きなましを実施する場合は、上記で求めた値に対し、ピアノ線、硬鋼線などは、20~35%減、ステンレス鋼線で15~25%減とする。

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