【ご相談内容】 ばね初心者 2023/11/3(金) 10:56
組立作業でバネを使用しているのですが、バネについての知識がなく、教えて欲しい事があります。
質問の仕方が分かりづらいかもしれませんが、
液出管に円錐バネ(テーパーバネ)とゴムボールを入れて使用しております。
液が吐出している時には、液がゴムボールを押す事で管とゴムボールの間に隙間が出来て液が吐出されます。
液の吐出が終わるとバネがゴムボールを押して管と密着して隙間が無くなります。(ゴムボールは、液だれ防止の為に使用)
バネの全長は15㎜ですべての管からの吐出量を同じにしないといけないのですが、様々な要因で管毎に吐出量が異なる事があります。
吐出量調整について規定量より多い場合には、バネを引っ張って全長を16㎜に伸ばすと吐出量が減ります。
逆に吐出量が少ない場合には、バネをペンチ等変形しないようにで挟んで全長を14㎜に短くすると吐出量が増えます。
単純にバネが伸びるとバネの反力が強くなり、短くなると反力が弱くなるという風に考えていたのですが、その考え方で間違いないでしょうか。
液の吐出していない時、バネを長くしても短くしても常にゴムボールと接している状態です。
【返答】 ばねっと君 2023/11/10(金) 9:52
ご質問いただきありがとうございます。
液の吐出量が多い場合は、円錐ばねのゴムボールを押す力が弱いため、管とゴムボールとの
隙間が広くなっている状態です。その場合は、ゴムボール押す力を強くする必要があります。
逆に、液の吐出量が少ない場合は、円錐ばねのゴムボールを押す力が強いため、管とゴムボールとの
隙間が狭くなっている状態です。その場合は、ゴムボール押す力を弱くする必要があります。
おっしゃるように、無負荷時の全長が15mmで、ばねを引っ張って全長を16㎜に伸ばすと結果として、
無負荷時からのたわみ量が1mm分増えるため、ばねからの反力もその分強くなります。
逆に、全長を14mmまで低くすると、結果として無負荷時からのたわみ量が1mm分減るため、
ばねからの反力もその分弱くなります。
ばねの反力は、以下の式で決まります。
(ばねの反力)=(ばね定数)×(無負荷時からのたわみ量)
※ばね定数は、ばねの材質と形状で決まる値、今回のケースではこの値は変化せず一定。
そのため、ばね全長の修正の結果に対する液の吐出量の変化としては、正しい結果です。
ただし、ばねメーカー側のアドバイスとしては、あまりばねの形状を変化させてほしくない、
というのが、正直なところではあります。
例えば、ばねの長さを修正するとそれに伴い、素材に残留応力が発生し、結果として
何も手を加えなかったばねより、早くへたったり、寿命が短くなる可能性があります。
また、傷つけないように作業されるとは思いますが、工具も硬いものですので、
ふとした拍子に、素材表面を傷付けてしまう可能性があります。
可能であれば、ばね設置部の構造をばね単体ではなく、ばねとシムまたはワッシャーといった
組合せとして、シムやワッシャーの厚さ調整加え枚数を変化させることで、この組み合わせの
全長を調整する構造にすることをお勧めします。
シムやワッシャーを厚くする、さらに枚数が増えれば、ばねからの反力が強くなり、
逆に薄くする、さらに枚数が減れば、反力は弱くなります。
※ご質問と回答は一般公開されますので特定される内容には十分お気をつけください。