ご質問有難うございます。
JISB2704第1部「圧縮及び引張コイルばね基本計算方法」では、動的使用の場合、
使用ポイントでのせん断未修正応力が「許容せん断応力の80%以内」というのを基準に設計はしません。
JISB2704第1部の図11「せん断応力の疲労限度線図」を参考にして、求める寿命を満足するように
使用ポイントでのせん断修正応力を設定します。
実際の動的な場合の設計では、圧縮及び引張コイルばねのへたりに対する許容度によって、
疲労限度線図を基にしたせん断修正応力の設定することに加え、「許容せん断応力の80%以内」を
参考にせん断未修正応力についても考慮して設計することもあります。
ちなみに、JIS規格で示されているせん断応力の疲労強度線図のようにへたりに対する許容度を
上限応力係数0.45の太い線とした場合、ピアノ線ではD/dが12未満、オイルテンパー線ではD/dが22以下
であれば、求める寿命を満足するよう使用範囲の下限と上限のポイントのせん断修正応力を設定した場合、
せん断未修正応力は自ずと「許容せん断応力の80%以内」となります。
次にねじりコイルばねの許容曲げ応力については、コイルばねのように許容応力に乗じる係数は
ございません。
JISB2704第1部「圧縮及び引張コイルばね基本計算方法」の図12「ねじりばねの許容曲げ応力」の線図を
参照頂き、使用ポイントの曲げ応力が、許容応力以下となるようにして頂ければと思います。
ただし、これについてもねじりコイルばねのへたりに対する許容度を考慮する場合には、任意の係数を乗じて応力設定を行って頂ければと思います。
以上、宜しくお願いいたします。