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ばねの選定

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ばねの選定
ばねっと君

【ご相談内容】 ばねっと君

ひとえに「ばね」と言っても、その形は多種多様で、その働きや用途も多種多様です。こんな用途にあんな働きをして欲しいけれども、
どんな形状がいいだろうか?どんな強さがいいだろうか?たくさんの要素を一つ一つ考えてばねは設計されます。

簡単に手に入るからといって通販でコイルばねを購入するのは
ちょっと待った!

強度はもちろんのこと、使用される環境などを確認・検証したうえで適切なばねの設計をしていかなければ、たちまち錆びてしまったり、破壊してしまったりと大変です。

ここでは、正しくばねを選定するうえで、必要な知識を紹介していきます。

皆様にイメージしてもらいやすように、簡易的な表現している所もありますので、実際にばねを設計・選定する場合は
必ずお問合わせ下さい。


目次

1.ばねの定義と機能とは?
 ・1-1ばねの定義
 ・1-2ばねの機能
  ・1荷重と変形の間に一定の関係があること
  ・2弾性エネルギーを蓄積できること
  ・3固有振動数を有すること
  ・4振動数を緩和すること
  ・5衝撃を緩和すること
2.ばねの種類と特徴について
 ・2-1材料によるばねの分類
 ・2-2形状によるばねの分類
3.ばねの設計
 ・3-1ばねの寿命
 ・3-2ばねの設計方法

 


 

1.ばねの定義と機能「ばね」は「跳ねる」が語源?

 

皆さんが普段、何気なく使っている「ばね」という言葉ですが、その歴史は長く、語源は諸説ありますが「跳ねる」という言葉の「はね」が転用されたという説が有力とされています。英語で「ばね」を意味するspring(スプリング)という単語にも「跳ねる」という意味が
含まれており、ばねの動きがその名前にちなんでいることが良くわかるかと思います。

 

1-1.ばねの定義

 

ばねの定義と言われると、なかなかイメージしづらいと思います。
日本工業規格が定めるばねの定義によると「物体の弾性又は変形によって蓄積されたエネルギーを利用することを主目的とする機械要素」(JIS B0103ばね用語)とされています。

簡単に言うと、ばねは力を加えて変形させ、それが元の形に戻ろうとする力を利用した機能を持つ要素であり、逆に言えば、力を加え
変形させ元に戻る物であれば、なんでもばねとして扱えるということです。

それでは、どうして物質は変形させられると、元の形状に戻ろうとする復元力をもっているのでしょうか?

物質を構成する原子には、「お互いに引き合おうとする引力」と「離れようとする反発力」の2つの違った力が働きます。
普段この二つの力は、バランスをとって、一定の距離を維持しています。このようなバランスの取れている所に、外側から押す力が
加わると、無理矢理、原子や分子がくっつけられるので、逆に反発する力は強くなります。ゴムを潰せば潰す程強く反発するのと同じ
イメージです。
そして、外側から押す力をなくすと、磁石が離れるように素材は元の状態に戻ります。
逆に引っ張る力が加わると、物質は伸ばされ、分子間の引力は強くなります。同様に、引っ張る力をなくすと、ゴムがもとに戻るように
物質は縮んでもとの状態に戻ります。

ばねも同様にこの復元力をもっています。ただし、その変形に対して数学の世界で測れるようになったのは最近で17世紀後半の話です。イギリスの物理学者ロバート・フックが力と物質の変形との線形関係を発見し、フックの法則と名付けられました。
そして、このフックの法則における、比例関係の定数がばね定数となります。

 

1-2.ばねの機能

 

ばねの定義では、ばねの持つ復元力について話してきましたが、その復元力を持つ「ばねの能力」すなわち「機能」は5つあります。

 

1.荷重と変形の間に一定の関係がある

 

これは、先程述べたフックの法則もその一つですが、ばねは力(荷重)と変形に一定の関係があります。ばねの種類によって様々で、
一様に綺麗な線形になるとは限りませんが、どんなばねでも力と変形には必ず一定の関係があります。

図1 種々のばねの荷重特性

 

2.弾性エネルギーを蓄積できる

 

ばねに力が加わっている時、ばねはエネルギーを蓄積している状態といえます。これを弾性エネルギーと呼び、これが、運動エネルギー
などに変換されます。バネに加えた力を徐々に取り除くと、蓄積された弾性エネルギーも取除かれていくので、力を完全に取り除くと、
弾性エネルギーもゼロになります。

 

3.固有振動数をもっている

 

ばねに力を与え、それを突如取り除くと、ばねは振動します。その振動は「ばねの質量」や「ばね定数」によって異なり、固有の振動数となります。

実際ばねを使用する際は、建物や構造物など、振動が大きく影響を与えてしまうことがほとんどなので、ばねを設計する場合にはばね定数だけでなく、固有振動数もしっかりと計算しなければなりません。

 

4.振動を緩和すること

 

逆に上で話が出た、振動数を利用した機能もあります。振動する物は、ばねだけでなく機械などもあります。大きな機械の振動は建物や
他の機械に悪影響を与える場合があります。
そういった機械の振動が伝わることを防ぐため、機械にばねを取付け、振動を緩和し、建物や他の機械の影響を少なくする使われ方も
あります。

 

5.衝撃を緩和すること

 

こちらは、振動を緩和することに似ていますが、衝撃を緩和することもできます。これは、日常生活でも数多く見ることができると
思いますが、衝撃を吸収するためにばねを利用することは非常に効果的であり、いたるところで活躍しています。

 

2.ばねの種類と特徴   分類がいっぱい!

 

「ばね」といったら、普通はぐるぐる巻きにされた、コイル状のばねを想像するかと思います。しかし、工業の世界で使われるばねの種類
は多種多様で、分け方によっても様々に見ることができます。

 

2-1.材料によるばねの分類

 

ばねというと金属のばねが一般的ですが、最近では、セラミックや炭素繊維など、金属以外のばねも、利用されるようになってきて
います。
非金属ばねの一番の特徴は、その軽さにあります。また、風船のように気体を閉じ込めた空気ばねは、ばね定数を低くできることや
取り付ける高さの調整が簡単ですので、電車の懸架に使われるバネとして広く知られるようになりました。

表1 材料によるばねの分類

 

2-2.形状によるばねの分類

 

続いて形によるばねの分類を紹介していきます。材料による分類と同じように形状による分類もたくさんありますよ!

コイルばね
世の中のばねのうちその大半を占めているのが、このコイルばねです。形が単純であり、大量生産にも向いています。コイルばねをさらに細かく分類すると、圧縮コイルばね、引張コイルばね、ねじりコイルばねの3種類に分けることができます。

①圧縮コイルばね
上から押す力(圧縮荷重)が加わるような物に使われるばねで、一般的には、綺麗な円筒形状をした円筒コイルばねが多いですが、
中には、円錐形状のコイルばねやたる形のコイルばねや、コイルを巻き取るピッチが不均一な不等ピッチばねなどがあります。
通常の円筒形ばねでは荷重とたわみに、バネ定数を比例定数とした比例関係がありますが、形が変われば比例関係ではなくなり、
非線形のばね特性となります。この非線形の特性を利用する用途も数多く存在します。
圧縮コイルばねの技術ページ
円錐ばねの技術ページ

②引張コイルばね
引張コイルばねは圧縮コイルばねとは逆に、引っ張る力(引張荷重)が加わるような物に使われるばねです。両端にばねを引っ張るためのフックがついていることが多く、そのフック自体はばねとして働きませんが、引っ張る時に力が加わるので、設計をする際はそのフックの強度も考えなければなりません。荷重とたわみの関係は圧縮コイルばねと同様にばね定数を比例定数とした比例関係があります。
引張コイルばねの技術ページ

③ねじりコイルばね
ねじりコイルばねは、圧縮コイルばねや引張コイルばねとは、根本的に使われ方が違い、回転運動が行われる箇所に使われます。
洗濯ばさみや安全ピンを見ればその動きがわかるかと思います。ねじりコイルバばねは圧縮コイルばねや引張コイルばねと違い、
腕を持っていることが多く、ねじりコイルばねを取り付ける製品にあわせて腕の形状を決定します。
ねじりコイルばねの技術ページ

皿ばね
皿ばねは、円盤の中心部に孔をあけた5円玉状の板を円錐状に成形したばねで、その形状から皿ばねという名前がついています。
(サイズが大きい皿ばねは金属の塊から削り出す場合もあります。)
コイルばねと比べ、小さなスペースでとても大きな荷重を受けることができるほか、設計方法によっては、非線形の荷重特性を
作りだすことができます。
皿ばねの技術ページ

板ばね
板ばねは、世界で一番、形の種類が多いばねです。なぜなら、板状の材料を使っていれば、そのほとんどが板ばねとして扱われるから
です。曲げてあろうが、穴が開いていようが、ばねとして作用する全ての板が板ばねと考えても問題ありません。
板から作る皿ばねも板ばねの一種としてみることができます。
板ばねの技術ページ

トーションバー
トーションバーはその名の通り、見た目は棒です。ばね性のある金属の棒に雑巾絞りをすると、それがもとに戻ろうとします。
その力を利用したのがトーションバーです。他のバネに比べ、単位体積あたりに蓄えられる弾性エネルギーが大きいため、
軽くても大きな力を発揮します。トーションバーに腕をつけた物で自動車の安定化をはかるために使用されるスタビライザーがあります。

渦巻きばね
渦巻きばねは別名「ゼンマイばね」と呼ばれ、ながーい薄板をクルクル巻いて、それがもとに戻ろうとする力を利用したばねです。
みなさんもよく知っているチョロQはこの力を利用して、前に進むことができます。
他にも、掃除機のコードがスイッチ一つで元に戻るのもこのゼンマイばねの力です。限られたスペースで大きなエネルギーを蓄積することができます。
渦巻きばね(ゼンマイばね)の技術ページ

ばね座金、止め輪
ばね座金はボルトとナットに挟むことで、ワッシャーとしての役割を果たし、さらに、ナットと締め付ける対象物とのツッパリ役も
果たすので、ばね座金を入れるとボルトやナットが緩みにくくなります。ウェーブワッシャーと呼ばれる波形の座金は通常のワッシャーに
山や谷をつけたもので、ばね座金より強く、また対象物を傷つけないなどの特徴があります。
さらに、これを圧縮コイルばね状にしたものでコイルドウェーブスプリングがあります。止め輪は、その名の通り、
物を留めるためのばねです。工業の世界では頻繁に使用され、保持したい部品を固定するために使用されます。
これらのように、簡易的に締結部分に作用するばねをまとめて「ファスナばね」と呼んでいます。

メッシュばね
メッシュばねはニットメッシュばねとも呼ばれ、細いばねの材料を布生地と同様にメリヤス編みしたもので、緩衝材の役割として使われるものの総称で、編み込んだ状態では、帯状ですが、それを円筒形にしたり、ドーナツ型にしたりして使用されます。単なる緩衝材に比べ、このメッシュばねは振動を吸収する能力が高いので、工作機械やエンジンなど振動が発生しやすい装置の土台に使用されることが
多いです。

タケノコばね
タケノコばねも見た目がタケノコに似ているためその名がつけられました。もとになる材料は渦巻きばね(ゼンマイばね)に似ており、
長方形の板材を巻き取って成形していきますが、渦巻きばね(ゼンマイばね)と違って、円錐状に立ち上げていきます。
荷重がかかればかかる程(たわめばたわむ程)ばね定数が強くなっていくので、大きな衝撃を吸収するのに最適です。
タケノコばねの技術ページ

輪ばね
輪ばねは、円錐の面を持つ内側の輪っかと、外側の輪っかを交互に組み合わせ、積み重ねたものです。輪ばねに圧縮荷重が加わると、
2種類の輪っかが伸び縮みしてばね特性を発揮します。また、その伸び縮みと同時に2つの輪っかの間に摩擦力が生じるため設もかなり
複雑になってきます。
輪ばねの技術ページ
他にも、形は定まっていない薄板ばねや線細工ばねなどがあります。
薄板ばねは薄い板材を成形してばね作用を得ているばね全般をいい、線細工ばねは丸や異形断面のバネ用線材をいろいろな形に成形して
ばね作用を得るばねのうち、コイルばねを除いたばねの総称になります。

このように、材質、形状だけでもばねの種類は数多く存在しています。つまり用途に合わせて、適切なばねが存在している
ということです。

 

3.ばねの設計 ばねにも寿命がある?

 

1-1ばねの定義のおさらいになりますが、ばねが持つ力は復元力の他に「荷重と変形の間に一定の関係がある、
弾性エネルギーを蓄積することができる、固有な振動数をもっている、振動、衝撃を緩和することができる」
といった機能がありましたね!
ばねが使用される目的は、上記のばねのもつ機能にあるというのは当たり前ですが、実際に使われることを考えると、
1回使って壊れてしまっては、その都度、取り替えなければなりません。
できれば、長い間使い続けられるにこしたことはありません。そこで重要なのがばねの寿命です。

 

3-1.ばねの寿命

 

ばねの寿命=ばねが割れる、へたってばねとしての特性が計算通りでなくなる。

ということですが、ばねの寿命は「どんな動きをするか」、「形状(応力のかかり具合)」、「どんな環境におかれるか」、によって
ある程度予測ができます。例えば、同じ荷重がかかったまま、ある一定の高さを保ってほとんど動かないばねと、
伸び縮みを何万回も繰り返すばねでは寿命が全く違います。ばねの形状によっては、数トンの力を加えてへたってしまうものや、
数百トン支えられものもあります。使用される環境が高温であったり、湿気が多い所など特殊な環境で有れば、
同じ形でも材質を変えるだけで、寿命が違います。そこで必要になってくるのが、ばねの設計です。

 

3-2.ばねの設計

 

ばねに加わる力とたわみの関係やある程度の寿命を把握することは簡単です。
フリーソフトなどもたくさんあるので、使ってみてください。

コイルばね計算ソフト

 

引きばね計算ソフト

 

ねじりばね計算ソフト

 

皿ばね計算ソフト

 

板ばね計算ソフト

ただし、実際には、寿命や荷重がこの計算値通りにいかないことが多々あり、実績などがものを言う場合があります。もし、設計に不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談下さい。

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