一般的なコイルばね(線形特性を持つ圧縮・引張コイルばね)には、「動倍率」という明確な定義や概念はありません。
一方で防振ゴムでは「動倍率」という概念が定義されていて、防振ゴムに一定の力を静的に加えた場合と動的に加えた場合の動き方の違いを比べたものが動倍率として考えることができるかと存じます。
防振ゴムの場合、「静的ばね定数」と「動的ばね定数」の比を使って動倍率を説明されることがあるようなので、ご投稿の内容もそれを説明されたものと推察いたします。
一般的にコイルばねの場合「動的ばね定数」という定義は明確に示されているわけではありませんが、例えば高周波振動における見かけ上の剛性変化をそのように表現されることもあるようです。しかしながら静的な荷重に対する動的荷重の倍率を動倍率として表現されることは一般的にはありません。
防振ゴムの動倍率という概念を、ばねに置き換えるとしたら衝撃荷重を扱う場合に近い考え方はできるかもしれません。(例:衝撃が加わる場合にかかる実際の荷重は静荷重の○○倍になる)など。但しこれも動倍率として定義されているわけではありません。
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