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疑問・お悩み相談室

SUS304-WPA,WPBについて

キーワード
SUS304WPA
SUS304-WPB
SUS304-WPA
SUS304L

【ご相談内容】 素人君

SUS304-WPA,WPBとよく言われますが、そもそもこれらの伸線前の母材は普通のSUS304なのでしょうか?

また、304-W1,W2というものもありますが、これらも同じく母材は普通のSUS304なのでしょうか?

WPA,WPB,W1,W2と言うのはつまり、
伸線工程によってその特性が変化したSUS304をそれぞれ区別して規格化したもの、
ということでしょうか?

もしそうだとするとSUS304にはSUS304L、M、Hなどなどいろいろと成分別に揃っていますが、
例えばSUS304L-WPB、SUS304H-WPAというものも存在するのでしょうか?

そしてそれらは全てJISによって規格化されているのでしょうか?

ごくごく基本的なこと、また質問が多岐にわたってしまい、
誠に恐縮なのですが、お教えいただけると助かります。よろしくお願いいたします。

【返答】 ばねっと君

素人君様

ご質問ありがとうございます!!

①SUS304-WPA,WPBとよく言われますが、そもそもこれらの伸線前の母材は普通のSUS304なのでしょうか?

回答:その通りです。SUS304材です。

②また、304-W1,W2というものもありますが、これらも同じく母材は普通のSUS304なのでしょうか?

回答:304-W1,W2につきましては、ばね用材料ではございませんので、使用したことがありません・・・(>_<)。

③WPA,WPB,W1,W2と言うのはつまり、伸線工程によってその特性が変化したSUS304をそれぞれ区別して規格化したもの、ということでしょうか?

回答:SUS304-WPA,WPBは冷間引き抜き工程によって、その特性が変化したSUS304をそれぞれ区別して規格化したものです。

④SUS304にはSUS304L、M、Hなどなどいろいろと成分別に揃っていますが、例えばSUS304L-WPB、SUS304H-WPAというものも存在するのでしょうか?

そしてそれらは全てJISによって規格化されているのでしょうか?

回答:残念ながら存在しません。規格化されておりません。
よろしくお願いします!

参考情報としまして、材質別のヤング率を掲載したページがございますのでご覧いただければと思います!
コイルばねの技術ページ

【返答】 ばね初心者

SUS304-WPA,WPBの違いについて教えてください。

【返答】 ばねっと君

ばね初心者さま

SUS304-WPAとSUS304-WPBの違いは、引張強さが異なります。
材料は、固溶化処理された材料を伸線することによって材料強度を高めています。

材料強度はWPA<WPBとなり、材料径によってその値は異なります。
(詳細はJIS G4314 を参照)

ばね用としては、WPBが一般的で、WPAはあまり流通していないと思います。
SUSの場合、ピアノ線などに比べると、ばねの設計許容応力が低くなりますので、
高強度材を求めると自ずとWPBを選定することになります。

推測ですが、材料メーカー様も需要の多い材料を多く製作されるはずなので、WPAの流通が
少ないのだと思います。

当社でSUS304材で設計提案させて頂く場合には、材料径にもよりますが、SUS304-WPBで
ご提案させて頂くことが多いです。
よろしくお願いします!

【返答】 ばね初心者

SUS304-WPAで設計したばねにSUS304-WPBを使用した時の「欠点」や「注意事項」があれば、教えて下さい。

【返答】 ばねっと君

ご質問ありがとうございます。SUS304-WPBの方が、一般的に使用される材料であるため、
SUS304-WPAに対して、そこまで欠点や注意事項はないかと思いますが、引張強さに差があるため、
場合によってはこれが影響する可能性があります。
SUS304-WPBの方が、SUS304-WPAより引張り強さが強いため、材料的には硬い材料になります。
よって、成形加工時や曲げ加工時に加工し難くなります。加工力が余分に必要であったり、
加工性を考慮して、小さい曲げRの設計を避けるといったことが必要かもしれません。
スプリングバックの量も変わってきます。
また、SUS304-WPBの方が圧延率が高い材料になりますので、磁性も若干強くなるかと思います。

【返答】 ばね初心者26際

よく耳にするSUS304-WPBとピアノ線とクライオーの違いは何なのでしょうか?材料が全て違う?

【返答】 ばねっと君

ご質問いただきありがとうございます。
各材質の違いは以下のとおりです。

SUS304-WPBは、JIS G 4314(ばね用ステンレス鋼線)に規定される材料となります。

ピアノ線は、JIS G 3522(ピアノ線)に規定される材料であり、材料を製造するにあたり使用する
材料は、JIS G 3502(ピアノ線材)に規定される材料を使用しています。

クライオーは、鈴木住電ステンレス株式会社独自の材料であり、材料の成分は、JIS G4314に
規定されている成分を満足し、SUS304-WPBより高い引張強さや靭性を持った材料になります。

ピアノ線は、耐食性に寄与する合金元素が入っていないため、SUS304-WPBやクライオーよりも
錆びやすい材料となります。通常の鉄系材料と同程度の錆びやすさです。

引張強さの比較では、ピアノ線として規定されるSWP-Bが一番強いですが、同様に
ピアノ線として規定されているSWP-Aとクライオーは同等の引張強さがあります。
SUS304-WPBは、この中で一番弱いです。

耐熱性の比較では、SUS304-WPBの耐熱性が高く、次にクライオー、ピアノ線の順となります。

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