ご質問有難う御座います。
ご認識の通り、ねじりばねは腕(アーム)の長さが大きくなるほど、
バネ定数・モーメントが小さくなります。
JIS B 2704「コイルばね 第1部:基本計算方法」では、
腕長さを考慮する場合のバネ定数は以下の通りとなっています。
バネ定数Rm=(E・π・d^4)/64[π ・ D ・ n+1/3(lw,A+lw,B)]
(E:弾性係数(N/mm^2)、 d:線径(mm)、 D:平均径(mm)、
n:巻数 lw,A及びlw,B:ねじりばねの各々の腕の長さ(mm))
ここでlw,A及びlw,Bはねじりばねの各々の腕の長さであり、腕の長さが大きい程、
バネ定数は小さくなります。
また、モーメントMの算出は以下の通りです。
M=Rm×φ
ここでφはねじれ角であり、同じねじれ角であれば、腕長さが大きい程、モーメントも小さくなります。
次に、コイル部の応力についてです。
ねじりばねの応力についても「σ=(32・M)/(π・d³)」の式から同じねじれ角の場合には、
腕長さの大きい程モーメントが小さくなる=応力も小さくなります。
しかし、弊社HPの計算ソフト「ねじりばねっと」について応力値が腕長さによって応力値が変わらないようになっています。
これについては、応力の計算式には腕長さの考慮の有無に関わらず腕長さを考慮しない場合の
応力σ=(E・d・φd)/(360・D・n)を採用しているためになります。
φd:ねじりばねのねじれ角(度)
理由としては、上記応力の方が腕長さを考慮した場合の応力よりも不利な値(応力が大きい)になるため、安全側に判定するようにしています。
以上、宜しくお願いします。