【ご相談内容】 カタヤマ 2007/4/21(土) 18:28
下記3点について教えて頂けますでしょうか?
1.ばね用オイルテンパー線にメッキを施した場合、水素脆性破壊の危険性が高いと聞きました。硬鋼線やピアノ線でメッキしたバネを普通に使用していますが、素材表面又は成分にどの様な違いがあって「危険」なのでしょうか?
2.高導電型ばね材にはどの様な物があります?
3.2相ステンレス鋼線とはどの様な物ですか?

【返答】 ばねっと君 2007/4/25(水) 11:33
カタヤマ様
書込みありがとうございます!
3点のご質問について、下記の通りご回答させて頂きます!
1.について。
水素脆性破壊の危険性は強度の高い材料ほど高いと一般的に言われています。
オイルテンパー線は強度が高い鋼種ですので、水素脆性破壊の危険性は高いです。
硬鋼線やピアノ線は材料製造時の伸線により組織が繊維状になっており、
水素が材料の中に進入しにくい形状になっております。
しかし、水素脆性破壊の危険性がないとは言いきれませんので、メッキは
避けたほうがよいと思われます。
2.について。
高導電型のばね材としては、りん青銅材があります。
3.について。
二相ステンレス鋼は、オーステナイトとフェライト組織の長短を持った材料で、
海水環境での耐孔食性・耐すき間腐食性・ならびに淡水環境での耐応力腐食割れ性に
優れた材料として、これまでのオーステナイト系ステンレス鋼に替わって、
化学・石油精製・エネルギー、その他の設備に使われ始めて30年以上におよびます。
この間、いくつかの腐食や割れの事例が報告され、その採用に当たっての不安は隠せず、
使用環境の選定に注目が集まっていました。
ばね用の材料では2相ステンレス鋼線はありません。
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