【ご相談内容】 ばね初心者 2018/2/22(木) 18:11
オイルテンパ線にメッキ処理を行う際、ベーキング処理を実施すれば水素脆性懸念は解消されるものと考えて良いものでしょうか?又ベーキング処理により脱水素されているという事が何か明確に分かる見方はあるのでしょうか?

【返答】 ばねっと君 2018/2/22(木) 18:27
ばね初心者さま
オイルテンパ線は水素脆化に対する感受性の強い材料になります。
その為、メッキの前処理の酸洗及びメッキ処理後ただちにベーキング処理を行う必要があります。
どうしても作業段取りや使用設備の使用状況などでベーキング処理が行えない場合がありますが、
その場合、ばねの使用上、水素脆性の懸念が残ります。
そのようにベーキング処理作業には、不安定要因があるため、ベーキング処理を実施すれば
100%水素脆性懸念が解消されるとは言えないですが、水素脆性による破壊抑制には有効な
手段の一つであると言えます。
又、ベーキング処理により脱水素されているという事が何か明確に分かる見方についてですが、
研究分野においては、水素昇温脱離分析という方法で、鋼材中の水素含有量を分析されており
水素脆化に関する研究論文も多数閲覧することが可能です。
よろしくお願いします!
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