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差圧弁の動作用にバネを使っているのですが、バネの収縮量で作動圧を設定したものの、差圧弁を使用するに従い作動圧がズレる

キーワード
コイルばね
セッチング
自由長
ヘタリ
ばね
荷重特性
バルブ
自然長
慣らし
締付け

【ご相談内容】 ばね初心者

差圧弁の動作用にバネを使っているのですが、バネの収縮量で作動圧を設定したものの、差圧弁を使用するに従い作動圧がズレることがありました。原因調査を担当した者から、使用したバネがメーカから購入時に慣らし切っていないため、差圧弁動作によりバネが収縮と緩和を繰り返したことにより、バネがズレたことが原因。対策のため差圧弁への組立前にバネの収縮と緩和を繰り返して”慣らす”工程を入れることになりました。この件に関し、一般的にバネをメーカから購入した時点では”慣らし切っていない”という状態なのでしょうか?また、”慣らされる”ことで何が変わるのでしょうか?(バネ自然長?バネ定数?)
ご教授いただけると幸いです。

【返答】 ばねっと君

ご質問いただきありがとうございます。
ご質問の中にある“慣らす”工程とは、“使用荷重”~“各材質や製品ごとに決められた
試験荷重”の範囲内の荷重を負荷することで、使用時のへたり極力少なくするための作業となります。

“慣らす”工程が未実施の場合、使用時の荷重条件(応力条件)によっては、へたりが発生し、
結果としてばねの自由長が短くなります。そのため、使用されるポイントの高さを決めてばねを
取り付けている場合、自由長からのたわみ量が少なくなり、荷重が減少します。

この工程の実施の有無については、製品ごと、さらには納入時の条件によって決まりますので、
必ず実施される訳ではありません。
使用時の応力が低い場合、また“慣らす”工程での変形にを嫌うような形状の精度が高いばねの場合、
製造時の工数を減らしたい場合、納入時の条件に荷重試験がなく形状のみといった場合には、
“慣らす”工程を実施しない場合があります。

“慣らす”工程を実施する場合は、使用時のへたりをどの程度減少させたいかによって、
いくつか方法があります。

“慣らす”工程として、よく実施するものはセッチングとなります。上記に記載した範囲内の
荷重にて基本的には1回圧縮し、へたりを除去します。

さらに、へたりを気にされる場合は、永久変形試験というものを実施し、管理します。
これは、JIS B8210 安全弁の規格の中で、ばねに関する要求として記載されています。
まず、少なくとも3回、試験荷重または密着まで圧縮を繰り返してから、自由長(初期)を測定します。
さらに、少なくとも3回、試験荷重または密着まで圧縮を繰り返してから、自由長(最終)を測定します。
2回測定した自由長の変化量が、自由長(初期)の0.5%以下にするというものです。
製品によっては、3回ではなく、5回や10回といった回数を要求されるお客様もあります。

これよりもさらに、へたりを気にされる場合は、使用荷重以上の荷重で、長時間締め付けるといった
方法を実施する場合もあります。弊社で製造するばねの中には、24時間や48時間締付ける製品もあります。

どういった“慣らす”工程を選択するかは、ばねに求める性能やコストを加味しながらの決定となります。

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