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圧縮コイルばねに圧縮とねじりを与えた場合、どのように計算する・・・

キーワード
コイルばね
疲労限度
圧縮コイルばね
圧縮
疲労強度
ねじり
組み合わせ
相当曲げ
相当ねじり
モーメント
合成応力
相当応力

【ご相談内容】 ばね初心者

圧縮コイルばねに圧縮とねじりを与えた場合、
どのように計算するのが一般的でしょうか?

相当曲げ、又はねじりモーメントとして計算した場合と、合成応力で計算した場合で数値が大幅に異なった為、どちらの数値を使用すべきか悩んでいます。(私の計算間違いであれば申し訳ありません)
同時に、疲労強度の考え方はJIS B 2704-1を踏襲しても問題ありませんでしょうか?
計算例をご教授頂ければ幸いです。

ばねっと君

【返答】 ばねっと君

ご質問いただきありがとうございます。
曲げやねじりといった組み合わせ負荷を受けた場合の応力評価として、

①相当曲げモーメントとして考えた場合の最大主応力
②相当ねじりモーメントとして考えた場合の最大せん断応力
③合成応力(おそらく相当応力、フォン・ミーゼス応力)

①~③の3つの応力を用いての強度評価に悩まれているということかと思います。

まず、ばねに関して圧縮とねじりを与えた場合の一般的な設計指針を示す規格はなく、
探した範囲ではそういった文献もありませんでした。
また、圧縮とねじりを同時に与えた場合の疲労強度に関しても文献がないため、
設計の方針としては、JIS B2704-1のせん断応力及び曲げ応力の疲労限度線図をもとに
寿命のあたりをつけ、解析や実物での検証により評価をした方がよいかと思います。
また、一般論にはなりますが、最大主応力での評価は脆性材料、最大せん断応力及び
フォン・ミーゼス応力での評価は延性材料の降伏条件とよく適合します。
ばね材料は延性材料であるため、後者での評価がよいかもしれません。

つぎに、①~③をもとに応力を算出したいと思います。
①~③について考えるにあたり、ばねが圧縮荷重を受けた場合の素線のねじれによる
せん断応力とばねがねじりを受けた場合の素線の曲げによる曲げ応力は、JIS B2704-1の
計算方法を使用したいと思います。
これで、丸棒にねじりと曲げを負荷した状態とみなすことができます。

各応力を以下に示します。

圧縮時のせん断未修正応力(N/mm^2):τo=8*P*D/(π*d^3)
圧縮時のせん断修正応力(N/mm^2):τκ=κ*τo
せん断応力修正係数:κ=(4*c-1)/(4*c-4)+0.615/c
ばね定数(N/mm):k=P/δ=G*d^4/(8*n*D^3)*
圧縮時の素線に加わるねじりモーメント:T=P*D/2
ねじり時の曲げ応力(N/mm^2):σ=32*M/(π*d^3)
ねじりばね定数(N・mm/rad):kT=M/φ=E*d^4/(64*D*n)

E:縦弾性係数(N/mm^2)、G:横弾性係数(N/mm^2)、
d:線径(mm)、D:中心径(mm)、n:有効巻数、c=D/d:ばね指数
P:ばねの圧縮荷重(N)、δ:ばねのたわみ(mm)、
M:ばねのねじりモーメント(N・mm)、φ:ばねのねじり角(rad)

①相当曲げモーメントとして考えた場合の最大主応力
σmax=σ/2+1/2*(σ^2+4τ^2)^1/2
Me=1/2*{M+(M^2+T^2)^1/2}

②相当ねじりモーメントとして考えた場合の最大せん断応力
τmax=1/2*(σ^2+4τ^2)^1/2
Te=(M^2+T^2)^1/2

③合成応力(おそらく相当応力、フォン・ミーゼス応力)
σe=(σ^2+3*τ^2)^1/2

計算例を示します。
(各諸元)
材質:SWP-B、E=206000N/mm^2、G=78500N/mm^2
d=5mm、D=20mm、n=5、c=4
P1=500N、δ1=3.3mm
P2=1500N、δ2=9.8mm
M1=1756N・mm、φ1=π/36rad(5deg)
M2=10533N・mm、φ2=π/6rad(30deg)
許容せん断応力:τa=850N/mm^2
許容曲げ応力:σa=1400N/mm^2
引張強さ:σB=1770N/mmm^2

(圧縮時のせん断応力)
τo1=204N/mm^2、τκ1=286N/mm^2
τo2=611N/mm^2、τκ2=858N/mm^2

(ねじり時の曲げ応力)
σ1=143N/mm^2
σ2=858N/mm^2

(①~③の応力)
例1
圧縮はP2のポイント、ねじりはM2のポイントまで負荷をした場合の
各応力。
τo2=611N/mm^2とσ2=858N/mm^2 より、
①σmax=1176N/mm^2、②τmax=747N/mm^2、③σe=1362N/mm^2

例2
(2)圧縮はP1からP2までの間で繰り返し負荷、M1のポイントで一定の負荷を
した場合の各応力と寿命評価。
τκ1=286N/mm^2、τκ2=858N/mm^2、σ1=143N/mm^2より、
①σmax1=366N/mm^2、σmax2=932N/mm^2
下限応力係数:σmax1/σB=0.21、上限応力係数:σmax2/σB=0.53
 2点間の推定寿命:1×10^7回
(JIS B 2704-1 (2018) 図14 曲げ応力の疲労強度線図の例 参照)

②τmax1=295N/mm^2、τmax2=861N/mm^2、
下限応力係数:τmax1/σB=0.17、上限応力係数:τmax2/σB=0.49
 2点間の推定寿命:推定不可
(JIS B 2704-1 (2018) 図13 せん断応力の疲労強度線図の例 参照)

③σe1=516N/mm^2、σe2=1493N/mm^2
下限応力係数:σe1/σB=0.29、上限応力係数:σe2/σB=0.84
 2点間の推定寿命:推定不可
(JIS B 2704-1 (2018) 図14 曲げ応力の疲労強度線図の例 参照)

最後に、下記URLに組み合わせ曲げ・ねじりを受ける材料の疲労限度の式や
時間強度の式ついて提案がなされている資料がありましたので、参考にして下さい。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms1963/29/319/29_319_334/_pdf

以上、よろしくお願いします。

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