【ご相談内容】 ばね初心者 2024/3/15(金) 22:47
ばねの疲労強度向上のためによくショットピーニングが施されると思いますが、
ショットピーニングと硬さの関係はどのようになっていますか?
ショットピーニングが投射された表面は加工硬化すると思いますが、
深くなればなるほど材料の硬さと同じになるまで下がっていくはずです。
ショットピーニング条件にもよると思いますが、硬くすることのできる深さは
大体何ミリぐらいでしょうか?
圧縮残留応力の付与されている深さ が、硬くなっている領域 ということでしょうか?
再表面からの距離と、硬さ の関係 について教えてください。
また最表面に近い領域(〜数十μm)については硬さは下がっていく方向ではなく
上がっていく方向でしょうか?
よろしくお願いします。
【返答】 ばねっと君 2024/3/21(木) 11:26
ばね初心者さま
お問い合わせありがとうございます!
ばねにショットピーニングを投射したときに、ばねの表面はショットピーニングにより加工硬化し、
深くなるほどショットピーニングの効果が小さくなり、加工硬化層ではない材料の硬さと同じになります。
深さにつきましては、記載頂いてるとおり、ショットピーニングのメディアや投射条件、投射するワークにより異なることから、一概に一定の深さを示すことは難しいのですが、目安としてSUSの場合は表から0.6mm程度、S45Cの場合は表面から0.3mm程度という文献データはありますが、条件に応じて実際の硬化層を確認することをおすすめします。
最表面硬さについても同様に投射条件で変動するため、一概にお示しすることができません。
ショットピーニングの条件と被加工ワークの硬さの関係について、痕径、ショット直径、投射速度、被加工ワークの硬さから関係式を示された文献をご紹介いたしますので、ご参考になれば幸いです。
文献:”金属疲労とショットピーニング” ショットピーニング協会 編著
よろしくお願いいたします。
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